炫貞
/ Park Hyunjung

博士(学術)専門は教育工学、学習科学、科学教育。博物館や科学技術コミュニケーションをテーマに、日常の中から学ぶインフォーマルラーニングを研究している。近年は、高等教育におけるプロジェクトベースドラーニングの研究も行っており、その延長線上にアートとサイエンスコミュニケーションを評価する活動も含まれる。

朴炫貞(パク・ヒョンジョン)

個人Web

博士(造形)、アーティスト。専門は現代アート。韓国ソウル生まれ。韓国芸術総合大学と武蔵野美術大学大学院で学びました。アートを軸にした科学技術コミュニケーションの課題から可能性を感じながら、実践研究を進めてきています。

現在の活動

  • アートを通したサイエンスコミュニケーションの企画・実践
  • デザイン、映像制作、場づくり
  • 国際交流

アートを通したサイエンスコミュニケーションの企画・実践

アノオンシツ web
北海道大学の古い温室をフィールドに、地域に根ざした表現を試みるアートプロジェクト

北海道大学の歴史、場所、研究、人を軸に作品制作をしていくアートプロジェクト「アノオンシツ」を2020年9月から進めています。学外のクリエイターと連携した展示やワークショップ、作品制作を実践しています。

知のフィールド #5 北海道大学 札幌研究林 札幌試験地(実験苗畑 )
「キャンパスにより添う創造の森」

陶芸作家安部郁乃さんとの共同制作「苔の息」

伐採した北大の木材を生かして、地元の家具作家12組とオリジナルの椅子を制作し、研究者とトークをした「札幌の木、北海道の椅子展 2021」


地球温暖化をテーマに、南極地域観測隊長を務めた科学者青木茂さん(北海道大学 低温科学研究所 准教授)と上村洋一さんを招いて開催した第115回サイエンス・カフェ札幌「氷のしらせ、地球の未来 ~科学者とアーティストが見た自然~ 」

アーティストと科学者が地球温暖化に関連する自分の研究を展示した「そりにひかれて – 科学とアートで環境をめぐる」を企画・出展。

そのほか、毎年テーマを木、皮革、データ、透明なで設定して「森」について探る授業「研究者とクリエイター(2018~2021)」、異分野の人々の出会いで作品を制作し、トークを進める実践などを進めています。

アートの力

自分とのつながりを見つけることは、科学を自分ごととして捉える大事なステップだと思います。アート作品に触れることは、その作品で意図している行為を自分で向かうことで、積極的に自分だったらどうするかを考えることにつながります。科学が好きな人でも、科学を遠く感じる人でも、興味はあるけど関わり方がわからない人でも、自分なりの発見がある体験を目指して、活動をしています。

自分で作品をつくるだけでなく、他分野の専門家と科学者をつなげることや、作品鑑賞ワークショップなど、アートをめぐるさまざまなプロセスに関わっています。

SIAF ラボとの連携事業

SCARTSとの連携事業

札幌国際芸術祭 2020 鑑賞レポート

デザイン、映像制作、場づくりに広がる「世界の追体験」

科学を伝えるだけではなく、科学との付き合い方を提案したり、科学の入り口を生活の中で探せる実践を進めています。その中で、「世界の追体験」ができるように、デザインや映像制作、場づくりなどの手法を総合的に用いて実践・教育しています。

想像の力

グラフィックデザインや映像、場のデザインをしっかり整えることで、想像してみた世界観を追体験ができます。他の立場や文化を想像してみることは、多様な立場が絡んでいる科学技術を理解するにも大切なことです。伝えたいメッセージをしっかり見つけて、そこから必要なスキルを磨いていく教育・実践を進めています。国際交流のプロジェクトを通して、豊かな交流の場を目指しています。

将来のサイエンスコミュニケーションの方向性

サイエンスコミュニケーションは、異分野とつながることでより広く実践できると思います。その連携を通して、世の中に新たなメッセージを発信できる表現を、進めていくことを目指します。アートを軸にしたさまざまな実践の企画から制作、鑑賞、配信、アーカイブまで、今後もチャレンジしていきたいです。