塚田 真理子
/ TSUKADA Mariko

布一枚のちいさな帆でも、
風をはらみ舟は水面を走る

 北海道北広島市の自宅庭先に開かれたちいさな図書館と博物館「Little Free Library & Museum ちいさな帆」を運営しています。元会社員、元地域博物館学芸員。2019年9月から”兼業”として個人蔵の図書の貸出しを行う図書館活動と、自然地理・人文地理・歴史地理にまつわる散策会やワークショップ等の博物館活動を企画運営しています。

プロフィール

 

 神奈川県厚木市出身。首都大学東京大学院(東京都立大学大学院)理学研究科 地理学教室 博士前期課程修了。修士(理学)。専門は地理学、環境地理学。大学・大学院時代の研究フィールドは、伊是名島、沖縄島北部国頭村。元々は建築学を専攻。集落形成と風土・民俗建築・土地利用を学ぶうちに派生的に地理学へ転向。テーマは、農業慣行移行期における地縁共同体による土地利用の変遷。2010年北海道に移住。

 CoSTEP11期選科(サイエンスライティング)修了。東日本大震災のあった2011年に北海道大学地震火山研究観測センターで技術補助員、その後、北広島市エコミュージアムセンターで6年間学芸員として、また北広島市図書館でも勤務(図書館司書資格有)。
旧姓:坂根

人とまちをつなぐ、ちいさな図書館・博物館「ちいさな帆」

 

 「保存」が第一の目的であった古典的博物館から、博物館法制定後は「収集や公開」へ。その後1980年代「研究と教育普及」を軸としながらも「参加や体験」に注力した人とまちを結ぶ地域博物館が数多く生まれました。そして現在は、直面する地域社会の課題(少子高齢化、資源の空洞化、振興と観光、人材の育成)に対し、博物館は新しい役割(コミュニティ・デザインが一例)が求められる一方、自立した個人が主体となった「新しい公共」「第三の居場所」が小さな規模で各地に創出されています。

 主宰するちいさな帆は、私設図書館(家庭文庫、まちライブラリー)や、私設博物館(理科ハウス@逗子、清水沢プロジェクト@夕張)をヒントに、人とまちをゆる~くつなぐ「第三の居場所」を創ろうとする個人の試みです。

ちいさな帆LittleFreeLibrary&Museum

Little Free Library & Museum ちいさな帆(まちライブラリー)

ちいさな帆の本棚(ブクログ)

Concept.1 文化のお福分け offer(提供)よりもshare(共有)

Concept.2 庭先でマイパブリック あったらイイナと思う公共を手づくりする

Concept.3 ひとりで図書館×博物館 相互の機能を活かし拡張させる

居場所づくり×コミュニティ・デザイン×サイエンス・コミュニケーション

Idea.1「地域の自然と歴史を調べて様々な形で還元する」家でもなく、学校や職場でもない場所が、できれば地域に多様にあることを目指して:『ちいさな自然観察会とゆかいななかまたち』(幼児、児童、大人対象にした身近な場所での観察会)『歴史をあるく』(地形地質・植生・土地利用に注目したまち歩き)は、学芸員時代から延べ約30回実施。現在はフリーランスで、市内の各地区にて様々なテーマでイベントを企画し実施。2011年から日本自然保護協会(NACS-J)の自然観察会指導員。

『みつめて、あつめて、ならべて、くらべて』2020年企画実施、北広島市緑葉公園内

Idea.2「市民参加型のフィールドワーク」いままで何気なく見ていた場所が違って見えること(多角的な視点で地域を見る)を楽しむ:『生きもの地図づくり』他

 

『みんなで調べよう!生きもの地図』2016年企画・制作、北広島市エコミュージアムセンター

Idea.3 『朗らカレッジ』これまで一個人でやっていたことから少し拡がりのある試み、他の専門家や機関とのコラボレーション​・イベント:『となりのヒグマ』『北海道フラワーソン2022』

Idea.4 これまで実施したワークショップ・出前講座テーマ:『木をかこう~ブルーノ・ムナーリをヒントに』『手作り枝かんじきづくり』『マイ地形図づくり』「手乗り島をつくろう!』『これからの地域博物館とボランティア-地域を変えるミュージアムについて-』『地域博物館の資料分類と収蔵について~市民との協働で収蔵庫整理を行うことの意味~』『北広島の自然と文化~自然と歴史の関わりの歴史へ』他

Next Action2022-

図書館活動:より”地域の人の拠り所・第三の居場所”となるための工夫

博物館活動:他分野の専門家や機関とのコラボレーション​・イベントを検討

個人の活動からの発展:地域の学校教育活動・社会教育活動との連携

 ちいさな帆は、個人のささやかな活動ですが、この活動に興味関心のある方との交流や、一緒にやってみませんか(やってみたい!)といったお問い合わせは大歓迎です。また、他のサイエンスコミュニケーターの方々とつながり、相互の活動を発展していけるようなイベントも思案しています。出前イベント等お仕事の依頼も随時受け付けています。