CoSTEP17期選科B修了。理学修士。専門は海洋生物生態学で、大学院では主にアマモ場を研究。学生時代に関わった市民調査がきっかけで科学者と市民の間のギャップを埋めることに興味が向き、自然保護系のNPO勤務などを経て、現在Amamo Worksの屋号で海辺での環境教育プログラムの実施や調査補助などを行っています。
河内 直子 / KOUCHI, Naoko
自己紹介
高校生ではじめたスキューバダイビングがきっかけで海洋生物学の道へ。当時はきれいな海にしか興味のないいけ好かない高校生でしたが、高3のときに読んだ本で自分の傲慢さに気づき、大学院進学後は積極的に視界不良や低水温などの過酷な潜水に挑戦しています。大学院生のときに沖縄県辺野古でアマモ場の市民調査に専門家として関わることになり、これがきっかけで普及啓発に興味が向きました。2013年から7年間、自然保護系のNPOで勤務し、環境教育や自然ガイド、ビジターセンターの運営や研究者のサポート、NPOの経理や総務業務などに従事。2020年に退職し、現在フリーランスとして活動中です。科学技術コミュニケーター的な活動のほか、趣味の手仕事が高じて編みものの講師資格を取得し、二足のわらじを履いています。
学生時代は琉球大学海洋学科(現:海洋自然科学科)、東京大学海洋研究所(現:大気海洋研究所)、北海道大学厚岸臨海実験所に所属。現在も北海道厚岸町を拠点としています。理学修士、潜水士、PADIダイブマスター、応急手当指導員。
最近の活動
海辺ゼミ
海辺の環境教育フォーラム(海辺でガイドや教育プログラムに携わる人たちの緩やかなグループ)のプラットフォームで、2020年より不定期に「海辺ゼミ」を主宰。海辺をキーワードに、環境教育に携わる人や環境に興味のある市民と研究者を直接つなぐ場として、年数回の緩やかなペースでオンラインのセミナーを開催しています。
学校教育プログラム
北海道厚岸郡浜中町の散布小学校にて、海洋教育パイオニアスクールプログラム(日本財団、東京大学)の一環として海洋ごみに関するプログラムを実施しました。漁師町の学校でもあり、高学年の児童からはこれからの水産業についてより深く学びたいとの声があがったことから、気候変動に伴う海洋環境の変化についてのレクチャーも行いました。
海辺の環境教育フォーラム
海辺の環境教育フォーラム(海辺フォーラム)で、2020年・2021年とオンライン大会の実行委員長をつとめ、実行委員会の組織からフォーラムの運営までを行いました。
モニタリングサイト1000
環境省の重要生態系監視地域モニタリング推進事業(通称モニタリングサイト1000)に関して、日本では最大規模の市民調査でもある里地調査を請負っている公益財団法人日本自然保護協会で、事務局アシスタントとして調査のサポートをしています。全国の調査員さんとのやり取りをはじめ、フォーラムの運営やイベントの企画立案補助を通じて、顔の見える心の通った市民調査を目指して活動中です。
また、沿岸域のアマモ場で行われているモニタリングサイト1000調査では、研究者のサポートとして潜水調査およびサンプル処理の補助などを行っています。
こんなことを目指しています
研究者のお仕事の面白さや重要性を、堅苦しくない言葉で伝えること。急激に変化しつつある自然環境について、何よりもまず関心を持ち、その自然を将来どうしたいかというビジョンを持ってもらうこと。これらを目標に、子どもから大人までを対象に講演や自然体験プログラムを実施しています。生態学や海洋学系の研究者とのコネクションが多く、ダイレクトに研究者と市民を繋げられるのが強みです。
現時点では科学技術コミュニケーターとしての活動はパートタイム的ですが、研究者と市民をつなぐために、まずは研究者とインタープリターや科学技術コミュニケーターをつなぐ存在として、海辺に限らず広い分野で活動したいと思っています。